給与・手取り

職種別の年収と手取り
看護師・薬剤師・技師で給料はどれだけ違う?

2026年6月4日 更新 / メディカルマネー編集部 / 監修:黒田律(内科医・産業医)

同じ医療現場で働いていても、職種が違えば給料はかなり違います。看護師、薬剤師、診療放射線技師、臨床検査技師、理学療法士・作業療法士——それぞれ専門性も働き方も異なるので、当然といえば当然です。

ここで大事なのは、「額面(年収)は職種でかなり違うのに、手取りの計算の仕組みはどの職種でもまったく同じ」ということ。この記事では、職種別の年収の目安を整理したうえで、そこから自分の手取りをどう見積もるかを説明します。

この記事のゴール

自分の職種の年収が全国の中でどのあたりかをつかみ、そこから手取りを「数字で」見積もれるようになること。正確な金額は 手取りシミュレーター で、職種を問わず計算できます。

職種で「額面」はこれだけ違う

下の表は、厚生労働省「賃金構造基本統計調査」(令和5〜6年)をもとにした、職種別の平均年収のおおよその目安です(全国・男女計)。年齢・勤続年数・地域・夜勤の有無で大きく変わるので、あくまで「全国平均の真ん中あたり」を示す数字として見てください。

職種平均年収の目安(全国)
医師(勤務医)約1,400万円
薬剤師約580万円
助産師約580万円
診療放射線技師約540万円
臨床検査技師約540万円
看護師(正看護師)約510〜520万円
保健師約480万円
理学療法士・作業療法士約430万円
言語聴覚士約420万円
准看護師約420万円

※厚生労働省「賃金構造基本統計調査」(令和5〜6年)をもとにした全国・男女計の目安。きまって支給する月額×12+年間賞与の概算で、年により数値は前後します。

勤務医を別格とすれば、薬剤師・助産師・各種技師がおおむね540〜580万円台看護師が500万円台リハビリ職(PT・OT・ST)が420〜430万円台という並びになりやすい、というのが大きな傾向です。准看護師は正看護師より100万円ほど低くなります。別格に見える勤務医も、年収が高いぶん税・社会保険の負担も大きくなるため、額面と手取りの開き方は医師(勤務医)の年収・手取りで詳しく整理しています。なお、別格の年収になる医師を目指す場合は、医師になるには(医学部・研修・費用)でその道のりや学費の目安も整理しています。

▼ 職種別の平均年収の目安(全国・男女計)

医師(勤務医)
約1,400万円
薬剤師
約580万円
助産師
約580万円
放射線技師
約540万円
臨床検査技師
約540万円
看護師
約515万円
保健師
約480万円
PT・OT
約430万円
言語聴覚士
約420万円
准看護師
約420万円

※厚生労働省「賃金構造基本統計調査」(令和5〜6年)をもとにした目安。バーの長さは勤務医を100%とした相対比較。

でも「手取りの計算」は全職種で同じ

額面は職種でバラバラですが、そこから引かれるお金の仕組みは共通です。どの職種でも、額面から次の5つが引かれて手取りになります。

  1. 健康保険料(40歳以上は介護保険料も)
  2. 厚生年金保険料
  3. 雇用保険料
  4. 所得税
  5. 住民税

結果として、手取りは額面のおよそ75〜80%に落ち着きます。年収が高いほど所得税の累進で手取り率はやや下がるので、勤務医のような高年収では手取り率が70%前後まで下がることもあります。引かれるお金の中身は 「手取りはなぜ額面の8割なのか」 で1項目ずつ解説しています。

職種別・手取りのざっくりイメージ

上の年収目安に「単身・手取り率」をかけた、おおまかな手取り(年・月)のイメージです。扶養家族がいると控除が増えて手取りは上がります。

職種(年収目安)手取り年収の目安月あたり(賞与込みを12等分)
薬剤師・技師(約560万)約435〜445万円約36〜37万円
看護師(約515万)約405〜415万円約34〜35万円
リハビリ職(約430万)約340〜350万円約28〜29万円

※単身・40歳未満を想定したおおよその目安です。実際は地域・扶養・手当構成で変わります。

夜勤・当直の有無が、職種間の差を動かす

表の数字は「平均」ですが、現場ではここに夜勤・当直の回数が大きく効いてきます。看護師は夜勤手当が年収を押し上げる職種の代表で、夜勤回数が多い人は平均より上にいきます。一方、日勤中心になりやすい職種(外来の技師やリハビリ職など)は夜勤手当が乗りにくく、そのぶん職種間の差が開いて見えることがあります。

逆にいえば、同じ職種の中でも「夜勤あり/なし」で年収は大きく変わるということです。だからこそ、平均値で一喜一憂するより、自分の夜勤回数を反映した手取りを計算するのが現実的です。

手取りシミュレーター職種を問わず使えます。基本給・手当・夜勤や当直の回数・賞与・扶養・地域を入れて、あなた自身の手取りを計算。夜勤あり/なしの比較もできます。
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額面が同じでも、手取りが変わる3つの要素

「同期と額面はほぼ同じなのに、手取りが違う」ということが起こります。理由はおもに3つです。

  • 扶養家族:配偶者や子(16歳以上)を扶養していると、扶養控除などで課税所得が下がり、手取りは増えます。
  • 勤務地(都道府県):健康保険(協会けんぽ)の料率は都道府県で少しずつ違い、基本給・地域手当の水準も地域差があります。地域差は 都道府県別の給与差の記事 で詳しく扱っています。
  • 40歳という節目:40歳になると介護保険料が上乗せされ、その月から手取りが少し下がります。

まとめ

  • 額面年収は職種でかなり違う(勤務医は別格、薬剤師・技師は540〜580万円台、看護師は500万円台、リハビリ職は420〜430万円台が目安)。
  • 一方で、手取りの計算の仕組みはどの職種でも同じ。額面の約75〜80%が手取り。
  • 夜勤・当直の回数が、職種内・職種間の差を大きく動かす。
  • 同じ額面でも、扶養・勤務地・年齢(40歳)で手取りは変わる。
  • 平均値より、自分の数字で計算した手取りのほうが役に立つ。

職種ごとの平均はあくまで出発点です。手取りシミュレーター に自分の数字を入れて、「実際にいくら残るのか」を確かめるところから始めてみてください。

職種別の年収・手取りをくわしく

自分の職種(または気になる職種)の年収・手取り・働き方は、職種ごとの個別記事でくわしく解説しています。

よくある質問

自分の年収が記事の職種別平均より低いのですが、おかしいのでしょうか?

いいえ、低くても異常ではありません。記事の数字は全国平均の真ん中あたりの目安で、実際の額面は年齢・勤続年数・勤務先の規模・地域・夜勤回数で大きく上下します。20〜30代やクリニック・日勤常勤では平均を下回るのが普通です。気にすべきは平均との差より、自分の数字を入れた手取りなので、手取りシミュレーターで実額を確かめてみてください。

夜勤をやめたら年収はどのくらい下がりますか?

夜勤手当は職種や回数で幅がありますが、月4〜5回の夜勤がまるごと無くなると、年間で数十万円規模で下がることが多い、という目安です。手当が減ると課税対象や社会保険の計算対象も減るため、手取りの目減りは額面の減少よりやや小さくなります。夜勤あり/なしの差は夜勤・当直手当の税金と社会保険の記事で仕組みを解説しており、自分の回数での比較は手取りシミュレーターでできます。

額面が上がったのに手取りがあまり増えないのはなぜですか?

額面が増えると所得税が累進で重くなり、社会保険料も標準報酬月額の等級が上がって増えるためです。さらに住民税は前年の所得に対して翌年かかるので、昇給した年は税負担の増加が一拍遅れて効いてきます。手取りが額面ほど伸びない仕組みは手取りはなぜ額面の8割なのか住民税のしくみで詳しく説明しています。

ボーナス(賞与)の手取りは、毎月の給料と同じく約8割ですか?

おおむね近い水準ですが、計算ルールは月給と少し異なります。賞与にも健康保険・厚生年金・雇用保険と所得税はかかりますが、住民税は賞与から天引きされず、所得税の源泉徴収率も賞与専用の決め方になるため、手取り率は人によって月給とずれます。社会保険料には標準賞与額の上限(健康保険は年度の累計573万円、厚生年金は1回150万円)がある点も月給と違います。賞与の使い道を考えるならボーナスの賢い使い方も参考にしてください。

准看護師と正看護師で年収が100万円ほど違うのは資格のせいですか?

おおむねそのとおりで、資格区分による基本給テーブルの差が主因です。そこに役職や夜勤の付きやすさの違いも重なり、記事の目安でも准看と正看で年収はおよそ100万円ほどの開きになります。ただし手取りの計算式そのものは正看も准看も同じで、額面が違うぶん手取りにも差が出るという構図です。自分の額面での手取りは手取りシミュレーターで確かめられます。

転職で給料を比べるとき、額面と手取りのどちらで見るべきですか?

必ず手取りで比べてください。額面が同じでも、夜勤・各種手当の構成や勤務地(協会けんぽは都道府県で保険料率が違う)で手取りは変わるため、額面だけの比較は実態とずれます。とくに賞与の月数や固定残業の扱いは見落としがちです。複数のオファーは転職の手取り比較ツールで並べて確認するのがおすすめです。

「いまの年収は相場に合っているだろうか」と感じたら、職場を変えるのも現実的な選択肢です。職種別の転職サービスは 転職サイトの選び方 で中立に比較しています。


本記事の年収は厚生労働省「賃金構造基本統計調査」(令和5〜6年)をもとにした全国平均の目安で、2026年(令和8年)の制度にもとづく一般的な情報です。実際の給与・税額は勤務先や個々の状況で異なります。本記事は税務・投資の助言ではありません。

監修・運営:黒田 律(くろだ りつ)

内科医・産業医(医師8年目)/投資家

地方の病院で内科診療を続けながら、産業医として「働く人の心身とお金」に向き合う医師。記事は税・制度などを公的な一次情報で確認し、医療・制度面を監修しています。運営者・編集方針について →